2011年3月22日火曜日

八葉複弁蓮華文軒丸瓦 川原寺出土


調べてみて 初めて気がついた。
「八葉複弁蓮華文軒丸瓦」の用語が正しく使われていない。殆どが適当な使い方になっている。
各自治体の博物館までそうだ。正規の学芸員が存在しているはずなので 正しく表記していただきたい。そしてWEBに正しい画像がいつの間にか消えてしまっている。これが正規の「八葉複弁蓮華文軒丸瓦」である。九州王朝から壬申の乱により近畿大和に移築されて「川原寺」と名が変わり天武天皇朝が官寺とし国事を行った寺の軒丸瓦だ。「国宝」に指定しても良いと思う。ただ国宝の価値基準に少々疑問があるが・・・・。
天武天皇が壬申の乱などに際し功績の顕著な者 多大な援助をした者に「寺」を造らせ その金堂にこの軒丸瓦を使わせたイワクつきの悦品瓦である。
「飛鳥文化・天平 白鳳文化」を鑑みるとき 美術史上如何しても外せない瓦であり 先ず日高市に出向いているのも実にこの瓦を追ってのことだ。隣国新治郡の廃寺にも同ハンが使用されたと学者は言う。
もっともそれもこれからの楽しみな旅(?)のひとつでもあるが。

軒丸瓦の瓦当(がとう)と呼ばれる部分のデザインは 川原寺(廃寺)のものは内側に蓮の花 中心に一粒の蓮子(れんじ)その周りに五蓮子 その外側に九蓮子 そして複弁の八枚の蓮の花びら 一番外側に 三角縁神獣鏡にも使われている「鋸歯文帯」で構成されています。
天武朝が使用を許した寺の「八葉複弁蓮華文軒丸瓦」はこれと全く同じものは 今のところありません。おそらく同じものがあるとすれば九州王朝系の寺院でしょう。川原寺(元の名称は不明)を移築したものの瓦のハンは持って来ませんでしょうから 瓦匠にハンを新しくおこさせたと考えられます。

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