2011年2月1日火曜日

清泉寺という寺院がかって北竹之内にあった。今は跡地に2210mmの大板碑がある。市内でも屈指の大碑だが近くの小川に架けられて橋になっていたそうだ。キリクだけは辛うじて確認できる。
ウォーキングの帰路に立ち寄った。
敷地の奥にコンクリート製の小さな祠があったので手を合わせ そしてふと目を上げると板状の石が転がっている。無造作に投げ捨てられたようであった。
板碑の破片である。早速持ち帰り洗浄してみると 170mmの長さ 幅は115mm 厚さは25mmで 彫りの良好ななんとも「品」の良い板碑だ。
キチンと外枠を巡らし 月輪(げちりん)に囲まれているのは「キリーク」阿弥陀の三分の一左側である。月輪(円光とも言う)は下部で二重の「蓮肉」に接する。蓮子のデザインが揮っている。欠損して詳細は不明だが初めてみるものだ。
「キリーク」の右下に向かう線の書き出しの部分が3倍程太くなる特徴を持つ。
全体に「品格」の高い良質な仕上げで好感が持てる。素晴らしい板碑である。厚みの25mmで他の例を調べると900mm~600mm程度のたかさの板碑であろう。
市内には類似の例は皆無で 川越市の建長三年〈1336年)小ヶ谷最明寺の銘阿弥陀一尊種子板碑に限りなく近いと思う。石工は同一の可能性も考えられる。この時期に板碑の形姿が美しく整った。

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